鍼灸の効能

 鍼灸は、血液循環を良くしたり、免疫細胞の増加・活性化に作用したりすることが知られるようになりました。また、内臓の働きを調節する自律神経を整え、身体の持つ恒常性維持機能を高める働きもあります。はじめは腰痛や肩コリで来院されても鍼灸治療を受けているうちに風邪を引きにくくなった、身体が軽い、体調が良い、よく眠れるようになった、食欲が出た、便通が良くなったなど体調の変化を実感され、症状がなくなってからも病気の予防、健康維持・増進を目的に、定期的に鍼灸院に通っておられる患者さんが多く見られます。

 医療の分野ではEBM(Evidence-Based Medicine:根拠に基づいた医療)という考え方に基づいて治療が行われます。医療従事者のこれまでの経験や勘、権威者が推奨している、科学的に証明されていない方法などから治療方法を選択するのではなく、臨床研究に基づいて信頼できる根拠がある治療方法を選択し、患者に合わせた治療をするという考え方です。鍼灸の分野でもEBMの考え方を重視して、腰痛や頭痛などさまざまな症状に対する施術が進められています。
 人の身体には病気やケガを自分で治す自然治癒力や、体外からの病原体の侵入・感染から身を守る免疫力が備わっています。細胞が傷害を受けるとそれらのシステムが働きだし、身体に様々な反応が起こります。例えば、血管を拡張させて酸素や栄養をたくさん含んだ新鮮な血液を呼び込んで新陳代謝を高めたり、異物と戦う白血球等を呼び寄せて傷付いた部位から感染することを防いだりします。

鍼灸施術はこのような反応を利用して、皮膚や筋肉に微細な傷や極小さなやけどを作り、筋肉の血液循環を改善して肩こりや腰痛を治したり、傷害を負った部位の修復を促進したりします。
 また、ヒトの身体には痛みを抑制する様々な仕組みが備わっていることが明らかになってきました。鍼や灸の刺激は脳に作用して全身の痛みを抑制したり、体内で作られる痛みの原因化学物質の代謝を高めたりするという仕組みです。
鍼灸の刺激は、このような痛みを抑制する仕組みを働かせるきっかけになることがクローズアップされるようになってきました。
 さらに、身体には皮膚や筋肉などに刺激が加えられると自律神経の活動が変化し、自律神経が支配する臓器・器官の働きが反射的に調節される仕組みも備わっています。鍼や灸の刺激はその仕組みを利用して自律神経活動を変化させ、血管の調節をしたり臓器の働きを良くしたりします。その結果、血圧が調節されたり、ホルモンバランスが整えられたり、免疫系が活性化したりなど全身性の広範な効果が引き起こされます。
 伝統的な鍼灸療法には、今後解明が期待される効果がまだまだありそうです。

「鍼灸の効能」への1件のフィードバック

  1. 初めて診て頂いたのですが、院長先生もスタッフの方も明るくて、優しくて心も体も癒されました。背中、腰、足をマッサージしてもらい、鍼もして頂きましたが、施術後とても楽になり、足も軽かったです。

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